誕生日

免許の更新でパックンと同席したことでお馴染みの小川ひなたさんが、
先日、17歳の誕生日(11回目)を迎えられたということで、
以前、自分の誕生日を祝ってくれたお返しに祝うことにした。
祝われたから祝って、祝ったから祝われて、
それで最後は本当に平和になるのかよ!(なります)
やって来たのは、新宿タカシマヤのフォションというお店である。
「遠慮せずに何でも好きな物を頼んでください!」と僕が言うと、
ひなたさんは遠慮せずに1100円のクレープを注文した。
てっきり700円台のケーキを頼むと思っていたのに……
程なくして、美味しそうなスイーツが運ばれてきた。
さっそく食べようとするひなたさんを制して僕は言った。
「ちょっと待ってください。食べる前に写真を撮って日記に載せましょう。
スイーツブログ化で女性読者を大量に獲得するのです!」
「まだ諦めていなかったのですかそれ? しかし大丈夫ですか?
静かな店内でシャッター音を立てると目立ってしまうのでは?」
「大丈夫です。iphoneはマイクのところをしっかり押さえていれば、
音を漏らさずにこっそり撮影することができるのですよ。うへへ……」
そう言った途端、怪訝そうな表情で僕を見つめるひなたさん。
「べ、別に悪用などはしていませんよ!」

「痛風になるまで、私はスイーツを食べるのを止めない!」
勇ましくスイーツへの思いを語るひなたさん。
誕生日ということもあり、僕たちは年齢について語り合った。
「知り合った時は二十代前半だった僕たちも、気づけば二十代後半ですよ」
「時が経つのは早いものです」
「とはいえ、未だに子供っぽさが抜け切れていません。
もうそろそろ僕たちも大人になるべきではないでしょうか?」
「そうですか?」
「そうです。いつまでもしりとりをして盛り上がってる場合ではないのです。
 もっと実のある会話をしましょう。例えば、これまでの人生を総括するような……」
「わかりました。そうしましょう」
そんな訳で上品な御婦人方が集まる高級感漂う店内で、
これまでの人生で読んだ漫画のベストテンについて議論した。
僕は「ドラえもん」の魅力について熱く語り、
彼女は「プラネテス」の素晴らしさについて熱く語った。
彼女に至っては、語ったことで作品への熱が高まったのか、
直後にジュンク堂に行って「プラネテス」を全巻購入する始末であった。
また「よつばと!」は2010年現在における漫画の一つの到達点であるとの結論に至った。