タフガイのタフガイによるタフガイのための日記<


「タフガイのタフガイによるタフガイのための日記」
賢明な読者諸氏はそろそろ察してくれていると思うが、
いよいよ、というかまたしても日記に書くことが何も浮かばなくなった。
購入した物に関して書く以外、何を書けばいいのか全く分からないのである。
二店連続で釣り銭を少なく間違えられたことなどを書いて大丈夫なのだろうか。
見ず知らずの他人のそんな日記を誰が面白がって読んでくれるというのですか。
一人で悩んでいても永遠に答えが出ないので、他人の日記を参考することにした。
「ジハード」などの著作で知られる定金伸治先生のサイトの日記をまとめた本である。
サイトに行けば無料で読めるのだが、その素敵なタイトルに釣られて思わず購入してしまった。
先生は京大卒のインテリジェンスに溢れる作家さんなので、その文章を模倣することで、
僕も知的な人間として皆に認識されるであろう。就職や縁談の話も飛び込むかも知れぬ。
しかしその目論見はすぐに外れることになった。肝心の日記の中身なのだが、
「朝起きたらパンツがなくなってた」「おっぱい非実在論を提唱したい」
「人生にはモテ期が3回あるらしい。てことは僕の人生には後3回モテ期があるということか」
など、失礼ながらインテリジェンスには程遠い、大変くだらない内容であった。
過去に自分もこのようなことを書いた気がするという既視感すら覚える始末である。
加えて出版にあたり、知り合いの作家からメッセージが寄せられていたのだが、
乙一先生からは「人間のクズ」松原真琴先生からは「こんな駄目な大人見たことない」
など散々なまでにこき下ろされており、人望のなさも僕にそっくりであった。
もしかしたら生き別れの兄なのではないかとすら思った。
結果、プロの作家ですらこうなのだから、自分に立派なものを書けるはずがないという、
以前、板尾創路さんの「板尾日記」を読んだ時と同じ結論に至ったので、
今後は今よりも更にどうでもいいことを書いていこうと心に決めた。