相変わらず「デモンズソウル」をプレイしている。
ようやく全体の半分ぐらい進めたところであろうか。
最近のRPGは、何となくプレイしているだけで同級生や、
後輩のアイドルや探偵王子に六股をかけれるような作品が多いが、
今作は何となくでは攻略は難しい。その分達成感はかなりのものである。
僕も初見で「これは勝てないだろう」と思ったボスに対して、努力と知力と、
金に物を言わせて大量に買った薬草の力で勝利を収めることができた。
高ければ高い壁のほうが上ったとき気持ちいい。努力は必ず実るのだ。
どうしてその教訓を人生に活かせないのかは自分でもよくわからない。
今作は最近のゲームらしく、オンラインに対応している。
主な機能としては、フィールドにメッセージが残せるというのがある。
これで「近くにアイテムがあるぞ!」など他のプレイヤーに助言を送ったり、
断崖絶壁の前で「一歩前に踏み出そう!」と書いて嫌がらせができるのである。
また地面に残っている血痕を調べることで、他のプレイヤーの死に様が見られる。
強敵がいる場所の血痕を調べると、おそらく突然のピンチに混乱していたのだろう。
ローリングなどで必死に攻撃をかわそうとするが、結局絶命する他のプレイヤーの姿が見られ、
苦労しているのは僕だけじゃないと癒される。他者の失敗は応援よりもずっと励みになる。
当然、協力・対戦プレイも可能である。
このゲームは一度死んでしまうと魂(ソウル体)の状態になるのだが、
この状態になると、最大HPが半分になってしまい、
ただでさえ厳しい難易度が更に増すという鬼のような仕様なのである。
人間に戻るためには、貴重なアイテムを使用するか、ボスを倒すか、
白いファントムとなって他のプレイヤーに召喚され、一緒にボスを倒すか、
黒いファントムとなって他人の世界に侵入して、相手のプレイヤーを倒す必要がある。
フィールドのそこ彼処に召喚を呼びかけるソウルサインが存在しているのだが、
僕はネットの世界でも引きこもりなので、オンラインで他人と協力とか、対戦とか、
ネットで日記やレビューを書いて全世界に公開とかは恥ずかしくて無理である。
そんな訳で最後まで誰とも協力・対戦はせずにゲームを終えるかと思っていた。
だが、そんな引きこもりの元に外部からの刺客がやって来た。
突如、黒いファントムが僕の世界に侵入してきたのである。
「えっ? 他のプレイヤーの世界に侵入って相手の許可なくできんの?」
どうせ繋がないからと説明書を読んでいなかったことを後悔する。
僕に向かって一直線に向かってくる黒いファントム。
混乱する僕にお構いなしにいきなり魔法を放ってきた。
必死にローリングで避ける僕。ごろんごろん。ごろんごろん。
まずい。これは殺されて血痕になってしまうパターンだ。
もしここで殺されたら、僕は二度とオンラインに繋ぐことはないであろう。
貴重なPS3のプレイ人口を減らさないためにも、見逃してもらいたいところだが、
深夜3時に人の世界に侵入してくるような非常識な奴にそんな話は通じまい。
こんな夜中に何でゲームなんかやってんだお前は! 早く寝たまえ!
生き残るためには相手を倒すしかない。こちらにも勝算はないわけではない。
相手はソウル体であるため、HPが人間時の半分しかないのである。
こちらのHPの多さを武器にゴリ押しすれば、多少の能力差があれど勝てる可能性がある。
僕の操るルナマリアさんは職業こそ狩人だが、基本的には近づいて斧で斬りつけるという、
この場合には最も適した戦闘スタイルである。斧を両手に持って相手を斬りまくった。
火サスなどで殺されそうになった人が、偶然手にした鈍器で逆に相手を殺してしまうあの感じ。
華麗さの欠片もない生き残るためだけの攻撃。気がつくと相手は消滅していた。
僕はオンラインは勿論、ゲーセンでの対戦プレイもしたことはないが、
その理由は、やられた時にすごく悔しいだろうからというのが相当である。
そんな人間が突然乱入してきた相手を逆に撃退。その高揚感は言うに及ばず、
「もしかして僕って強いのかしらん」と思ってしまうのもやむを得ないところであろう。
かくして今度は黒いファントムとして他人の世界に乗り込むことにした。
他のプレイヤーの世界に突如として侵入する謎の戦士“LUNAMARIA”
鬼神の如き強さで次々とプレイヤーを粉砕。その強さは掲示板でも話題になるであろう。
「LUNAMARIAって奴に気をつけろ! 奴は強い」
「俺もLUNAMARIAにやられた。あいつは可愛いだけじゃないぞ!」
「ちくしょう! LUNAMARIAに名前の通り狙い撃たれたぜ!」
そのような楽しい想像をしているうちに侵入できる世界を発見した。
後に全世界で語り継がれるであろうLUNAMARIA伝説。
相手のプレイヤーには悪いが、その伝説の礎となってもらおう。
このオレ様がお前らのハナミズを飲みつくしてくれるわ!
だが実際に侵入してみると様々な誤算があった。
まず相手が見たことのない装備をしている。
とても強固そうな鎧に魔力が増しそうな帽子、
ドラゴンの鱗でも切り裂いてしまいそうな剣を装備していた。
そして攻撃のスピードが速い。めっちゃ速い。
こちらが斧を1回振る間に3回ぐらい剣を振っていた。
多分シャアだったと思われる。こっちはルナマリアさんだもん。
そんな訳で劣勢に立たされるルナマリアさん。
一撃で殺されたのなら、まだ笑ってネタにできるのだが、
相手の一撃で大体こちらの最大HPの20%ぐらいを持っていかれる。
必死で回復するが追いつかない。次第に底を尽いてくる薬草。
じわじわと、だが確実に敗北の影がルナマリアさんに近づいてくる。
バレーボールにおける、日本×キューバの試合のような感じのリアルな劣勢であった。
最終手段として、重い鎧や兜を脱ぎすてて、全力で逃走するのを考えたが、
実行に移す前に倒された。生まれて初めての赤の他人に殺されるという感覚に呆然となる。
しかも悔しいことに、相手は僕を倒すと、全く後ろを振り返ることなく進んで行った。
普通、本当に死んでいるかどうかを突いて確認するじゃないですか。
戦ってすぐに「あっ、こいつは雑魚だな」と思ったのだろう。悔しい。むしろ恥ずかしい。
だがこの出来事が僕の心に火をつけた。いつか相手に復讐(完全な逆恨み)する日を夢見て、
「ディスガイア」で鍛えた、ひたすら同じ作業を繰り返してレベル上げを苦にしない精神で、
やられた時に30だったレベルを60まで上げる。しばらくは今作で遊んでいると思う。